江戸風鈴とは

 

江戸風鈴とは どういったものかご存知でしょうか。
夏の風物詩の一つである風鈴。
暑さをひととき忘れさせてくれる涼し気な音色が魅力ですね♪
今回は東京で生産されている「江戸風鈴」について、手作りの制作工程や歴史などをご紹介いたします!

 

江戸風鈴とは 江戸風鈴の特徴とは

江戸風鈴は、江戸時代からの技法を受け継いで作られている手作りのガラス風鈴です。
ガラスを吹いて形を作るところから絵付けまで、すべての工程が職人の手作業で行われています。

そのため、同じ種類の風鈴でも一つひとつが微妙に異なり、音も違います。
ひとつとしてまったく同じものはありません。

そんな手作りならではの味わいを感じられるのが江戸風鈴の魅力です。

江戸風鈴の鳴り口がギザギザな理由

 

また、もう1つ江戸風鈴の大きな特徴と言えるのが、鳴り口がギザギザになっていることです。
これは、より良い音を出すために、やすりでざっと削り、あえてこのような形にしているのだそうです。

この工夫により、凛と澄んだとても心地の良い音色が生み出されています。
虫の音のような自然な音を目指したという江戸風鈴ならではの特徴です。

 

江戸風鈴

 

風鈴の歴史

鈴や鐘など音の出るものは、人間の歴史のかなり古くから獣や魔物を追い払う魔除けとして使用されてきました。

風鈴の由来であると考えられるのは唐時代の中国で使われていた「占風鐸(せんふうたく)」です。
しかし、これは音を鳴らして涼を楽しむための道具ではありませんでした。

では何をするものだったかというと、この占風鐸を竹林に吊り下げて風向きや音の鳴り方で物事の吉凶を判断し、国の政に生かしていたのだそうです。
つまり、占いの道具でした。

民家の軒先で使用するような風鈴がいつから使われるようになったのかはははっきりとわかっていませんが、寺の軒に吊るされている「風鐸(ふうたく)」として、仏教と共に日本に入ってきたと考えられています。

その後、18世紀にオランダから長崎に透明で質の良いガラスの製法が伝わります。
それが江戸に入ってくると、江戸でガラス作りが盛んになり、眼鏡やかんざしなど多くのものが作られました。
江戸末期にはガラス製の風鈴が大変な人気を博したと言われています。

風鐸

 

江戸風鈴の作り方

冒頭でもご紹介した通り、江戸風鈴はガラス吹きから絵付けまですべての工程が手作りで行われています。
江戸時代からの製法を受け継いで作られている江戸風鈴の作り方の各工程ををご紹介いたします!

 

◎ガラス部分

江戸風鈴は、木型などを使わずに空中でガラスをふくらませる「宙吹き(ちゅうぶき)」という技法で作られています。

ガラスの素材が熱せられて溶かされている釜の内部の温度は1300℃以上とのこと。
少し離れた位置から見せていただいたにも関わらず、ものすごい熱気でした!
釜の中で溶けているガラス素材のことを「タネ」と呼びます。

江戸風鈴職人

 

①口玉を作る

まず最初に、口玉と呼ばれる小さなガラス玉を作ります。
「共竿(ともざお)」と呼ばれる吹き竿にガラスのタネを少量巻き取り、息を吹き込んでふくらませます。
共竿は筒状になったガラス棒で、空洞部分から息を吹き込んでガラスを膨らませるための道具です。

口玉部分はこの後の工程で切り落としてしまうのですが、風鈴の命ともいえる鳴り口(音が鳴る場所)になる大切な部分でもあります。

江戸風鈴の職人

 

②風鈴本体を作る

口玉の上にもう一度ガラスのタネを巻き取り、今度は風鈴の本体部分を作ります。
共竿から息を少しだけ吹き込み、針金を通して糸を通す穴を開けます。

再度息を吹き込み、共竿をくるくると回しながら本体部分をふくらませます。

職人さんが作業しているのを見ていると簡単そうに見えますが、実はとても難しいのです!
少しだけ体験させていただきましたが、ちょっと気を抜くと溶けたガラスが重力に負けて落ちてきてしまうので、共竿を回す手を休めることなく息を吹く強さにも気を使わなければなりません。
両方の作業に同時に集中しなければならないのがとても難しく感じました。

均等な形と薄さ、同じ大きさに吹くにはかなりの経験と職人技が必要になります。
「難しいことを簡単にやってるように見せるのが職人だ」というのは二代目のお言葉だそうですが、まさに江戸っ子職人の粋を感じます!

 

江戸風鈴の作り方

 

③口玉を落とし、鳴り口を作る

できたてのガラスは大変熱く、すぐには触れることはできません。
共竿から風鈴を切り離し、20分くらい置いて冷ましてから口玉部分を落とし、軽く砥石で鳴り口の部分を整えます。

江戸風鈴はこの鳴り口の部分がギザギザのまま残されていますが、滑らかにしてしまうと音が出にくいため、あえてこのように工夫して作られています。
江戸風鈴ならではの軽やかに澄んだ音色は、この特徴的な鳴り口だからこそ出せる音なのです。

 

江戸風鈴の作り方

◎絵付け

完成した風鈴に絵付けをするのは、やはり手作業です。
ぱっと見ではわかりづらいかもしれませんが、江戸風鈴の絵は、絵具が剥がれにくいようにガラスの内側から描かれています。

取材させていただいた時はあじさいの絵付けを見せていただくことができました。
鳴り口から筆を入れ、内側にさっさっと筆を走らせ、絵を描いていきます。
下書きなどはありません。

色が重なる部分は1色ずつ乾かしてからでないと上から色を乗せられないため、多色使いのものは仕上がりまでに時間がかかるそうです。

絵付けをした後は、吊り下げるための紐を通して、振り管と短冊をつけて完成です♪

 

 

江戸風鈴スタンド・竹

 

インテリアとしての風鈴を楽しむ

江戸時代から人々に愛されてきた風鈴ですが、住宅事情や生活環境によっては周囲への配慮から風鈴を飾る場所にお困りの方も多いと思います。
さまざまなデザインや形がある風鈴はインテリアとしてもおすすめです!

飾り棚などに置いておいても可愛いですし、風鈴スタンドに吊るして窓際や扇風機の風が当たる場所に置けば音も楽しめます。

日本独自の文化である風鈴は海外の方にも大変喜ばれています。
知人へのプレゼントやホームステイ先へのお土産など、日本情緒ある贈り物としてとても人気です。

また、風鈴の音に涼を感じるというのも日本人独自の感覚だそうです。
なので、外国人の方へ差し上げる際は、日本には風鈴の音で涼を感じて楽しむという習慣があることを付け加えて説明するとさらに喜んでいただけるかもしれません♪

江戸風鈴をインテリアとして楽しむ

 

江戸時代に流行した風鈴にまつわる狂歌

「狂歌(きょうか)」とは、日常の身近なことを題材に、滑稽や風刺を利かせた短歌の一種です。
江戸時代に流行した狂歌の中に、風鈴にまつわるこんな歌があります。

売り声もなくて 買い手の数あるは
音に知られる風鈴の徳

大きな声で呼び込みをしなくとも、風鈴屋にはその音でお客が自然と集まってくる。
つまり、「風鈴の音が何よりも勝る売り声になる」という意味です。

蒸し暑い夏を、風鈴の音で少しでも涼しく感じようという趣向はとても素敵な文化ですよね。
たまにはゆったりと風鈴の音を楽しみながら、読書や晩酌など趣味の時間を楽しむのもオツで良いかもしれません♪

 

江戸風鈴

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